この記事は「4次元コンテンツ出展(by 数学カフェ)」の記録 Advent Calendar 2016 の、12月8日分の記事です。
今回は11月5, 6日のサイエンスアゴラで展示した展示ポスターの制作、展示について記述します。
展示企画「4次元を見てみよう~情報技術で描く数学の未来~」 http://www.jst.go.jp/csc/scienceagora/program/booth/aa_046/
今回はあえて”デザイン”や”アート"側からの視点の記事で書いていこうかと思います。
1)展示ポスター制作
「メインポスター」
A1サイズで2枚用意して、左右に並べて机の下に貼り付けました。
ポスターはAdobe Illustrator と Photoshopで製作。
イメージカラー(背景色)は青のグラデーション、知的で落ち着いたイメージを思い描きました。運良く出展当日は2日とも晴天で会場外の空ともマッチしてくれました。
「サイドポスター2枚」
A0サイズで作成。1枚は遠くからでもブースを識別できるようなイメージポスター。もう一枚は四次元の概略説明であり、「3次元はどうやって見るの?」「なぜ4次元を考えるの?」「コンピュータは何をもたらしたの?」「どんな展示をしているの?」の4項目に分けて分かりやすい文章で説明。3〜4次元の歴史と情報技術を用いた今後、といった内容となっています。
イメージポスター
四次元の概略説明ポスター
「理論ポスター3枚」
詳細は後日のアドベントカレンダーで、他の方の理論編の記事で紹介(できると思います)
2)ポスターの設営
初日の設営、11/5午前9時設営開始(入場開始は10時)。2人1組で手際よく準備(両面テープでパーテーションに貼り付け)、時間内に済みました。
二日目、左右のポスターの位置を反対にしました。ポスターの順序を左側から段々難易度を上げていく、といった意図です。
3)デザイン工学、芸術工学への展開へ(四次元の概略ポスター、理論ポスターの補足説明)
私は、今回の理論で挙げられていた”4次元カメラ”を、ビジュアル表現として応用できないかと考えています。
私はこれまでに裸眼立体視の3DCGを作ってきましたが、より立体感を得るために、2つのカメラの位置をワイドに、または鑑賞物を巻き込むようにレイアウトしたりしました。結果、現実には見えない部分も見え、現実以上の視覚情報を得ることができました。
カメラの配置、角度を変更しても、脳(記憶)が処理して違和感なく鑑賞できます。むしろ現実よりも立体的に感じるとも言えます。人間の眼では本来は見えないであろう情報を立体視に盛り込んでも、鑑賞者は情報過多で混乱することなく鑑賞できます。ただしこれは3次元+α程度の情報であり、4次元ほどの膨大な情報を脳で処理するには人間はまだ進化していません。でももしかすると今回の活動を続けていくと4次元情報を脳内で処理できる”4次元人”が生まれるのかもしれません。
裸眼立体視画像(左右のカメラを30cm離してレンダリング)
4次元または多次元の概念は、デザインやアートの側へも活用できると考えています。私はこれからこのような内容の研究を進めていく予定です。
一例を挙げると、目の前にあるビール缶、眺めている自分の視界には缶の裏は見えませんが、実際には缶の裏のデザインは存在します。
自分の見渡している視界には必ず”裏”が存在します。写真画像(2次元)には現状”裏”情報は存在しませんが、産業デザインなどで”裏”情報の必要なケースが考えられる、と私は仮定します。
「四次元のある生活」、それは日常の視界の中に隠されているのかもしれません。