CG技術者、テクニカルデザイナーを目指す

グラフィックデザイン研究開発者が、CGデザイナーとソフトウェア開発者の二刀流である”テクニカルデザイナー"を目指す、グラフィック技術関連サイト

工学技術をグラフィックデザインへ活用する案

今、私が取り組んでいる開発について少し述べたいと思います。対象はパッケージデザインに用いるグラフィックデザイン。デザインを工学的にアプローチすることによって、デザイン部門の支援ができないかがテーマです。


①3DCG技術を活用した画像処理、流体シミュレーション

より購買意欲の湧くような新しいデザインを生み出す上で、よりみずみずしさやシズル感を表現する必要もあります。

そのため3DCGを用いて、今までにないみずみずしさやシズル感を表現する場合もあります。透過表現、反射表現、屈折表現は3DCGの得意分野であります。また、より現実世界に近い形にシミュレーションしてからデザインをおこすことも可能であります。

究極のみずみずしさやシズル感を表現することがわたしの目標であります。

2次元のグラフィックデザインであっても、制作過程で3次元を用いることで、より効果的な表現のできるグラフィックデザインへと導く、このような手段も考えられます。



f:id:TanyTT:20170626141228j:plain



f:id:TanyTT:20170626141259j:plain



f:id:TanyTT:20170626141406j:plain

3DCGソフトのLightWave3Dの流体シミュレーションプラグインを用いて作成。コンピュータ内で、グラスに水を流し込んでアニメーション化させて、そこから画像を切り抜き。



②感性工学の観点からの特色分解

【感性工学とは】 感性工学でいう“感性”とは、商品とか環境といった物的対象に対して心の中に抱く感情やイメージのあるまとまった心的状態のことを言います。例えば夏の暑い日に噴水からほとばしる水しぶきを見て“みずみずしさ”を感じる場合、この“みずみずしさ”がこの場合の“感性”であります。

感性工学とは“人間の感性やイメージを物理的なデザイン要素に翻訳して感性に合った商品を設計するテクノロジー”と定義されています。

消費者の感性的要求を分析し、解釈して、最終的に感性を数値化して具体的なデザイン要素や技術レベルに変換する手法が感性工学手法です。

デザインにもっと効果的に特色を活用することができれば、より感性に訴えかけるデザインを作成することができるのではないでしょうか。


RGBまたはCMYKの写真の場合、写真の全体感を伝えるのには良いが、部分部分を引き立たす効果は乏しいです。

CMYKRGBの表現では画像の全体感は伝わりますが、例えば果物盛り合わせのりんご、バナナ、ぶどう、などが一体化してしまいます。また立体感が乏しくなります(影情報と色彩情報が同化しているため)

この場合、果物のオブジェクトごとに特色インキを使えれば、インパクトがあり、食欲のそそられる再現が可能になるのではないでしょうか。

特色印刷と感性工学とは相性が良く、特色印刷と商業デザイン、または拡販とも相性が良いと私は考えています。

最適な特色分解:最適な版や、最適なインキの色を導き出す研究を行う。これはデザイナーのイメージどおりに印刷できるようにする技術であり、デザイン支援と言え、より感性に訴えかけるデザインを作成することも可能であるでしょう。

人間の判断でこそ成しえる作業と、自作プログラミングによる画像処理を効果的に組み合わせることによって、今までにないイラスト表現を行い、作品を制作できます。

写真を版画にして表現(写真の感性工学的加工)。版画独特の淡さが水の透明感を表現しています。シルクスクリーンで表現するとインキ濃度が高くなるのでもっと鮮やかでくっきりした感じになります。

版画はある意味特色印刷とも考えられるので、写真に特色印刷を用いてみずみずしさを表現したケースとして考えられます。



f:id:TanyTT:20170626141539j:plain

私の所有する、高砂淳二氏(写真家)の版画



③デザイン部門での特色分解

“②”にも通じますが、これまでの印刷に用いる製版画像処理にはデザイン制作の観点がありませんでしたが、デザイナーの要求を満たすような画像処理、デザイナーの立場からの画像処理をこれからは考えてみる必要があるのではないでしょうか。


【現状の問題点】

○現状の印刷に用いる製版画像処理は繁忙なケースがほとんどであり、質より量が重視されている。そのためデザイナーのイメージ通りの再現が印刷されていないケースが多い。

○デザインのコンセプトや、デザインのどこの箇所が重要なのかはそのデザインを作成したデザイナーが一番把握しているが、製版画像処理技術者では把握しきれてないことが多い。デザインをどう捉えるかによって画像処理内容が変わってくる。そして印刷再現も変わってくる。


【対策1】画像処理をしているところをデザイナーが立ち会う

立ち会うことで画像処理の作業時間は延びますが、よりデザイナーの望む再現に仕上げることができます。また再校正の可能性が低くなるので結果として時間短縮につながるとも考えられます。

【対策2】無理のない範囲でデザイナーに特色分解をしてもらう

デザイナーに無理なく使ってもらうために専用の特色分解ソフトを開発する必要があります。現状のデザイン業務に支障をきたすようでは非常に困るでしょうから。できれば自動もしくは簡易的なシステムが好ましいでしょう。

後、デザイン時にある程度印刷仕上がりを把握できるようにしたいので、モニター上で印刷結果をシミュレーションするシステムも開発する必要があるでしょう。

またデザイン→製版画像処理の伝達の効率化も図れます (デザイナーが印刷結果を見て「こんなはずでは……..」と思わせることを防ぐ)




開発を活用、応用する場


立体物の新しい表現を目指すサイト