CG技術者、テクニカルデザイナーを目指す

グラフィックデザイン研究開発者が、CGデザイナーとソフトウェア開発者の二刀流である”テクニカルデザイナー"を目指す、グラフィック技術関連サイト

モバイル機器を用いた立体映像撮影機器の提案、貧者のVR

f:id:TanyTT:20170628160555j:plain

現在、いろいろな写真や絵などのビジュアル情報が世の中に溢れていますが、そのほとんどは平面的な2次元画像です。

しかし2次元画像の場合、ものの奥行きが表現できなくて、ものの大きさも感じ取ることができないです。

例えば2次元画像ならば、富士山の実際の写真と富士山の絵が同じ大きさに見えるはずであり、実際の目で見る富士山の雄大さは2次元画像ではとても表現できるものではないです。しかしまだそれほど普及はされていませんが、複眼カメラで撮影して、それを特殊なフィルターを通して見るような立体視技術を用いて三次元で表現すれば、実際の目で見たままのディティールを三次元画像から感じることができ、富士山の三次元画像は本物の富士山の雄大さのディティールを表現できるのであると思います。立体視技術を用いた3次元画像が世の中に普及すれば、今までの2次元画像では伝わらなかった情報を提供できるはずでしょう。

立体視技術を用いた三次元画像(立体映像)だと、より正確な情報を伝達することができ、いろ いろな可能性を感じるのに、なぜ世の中にそれほど普及していないのでしょうか。

立体視メガネを装着するタイプは将来性を感じつつも下火になり、今後生産中止の流れとなっています。立体視メガネの場合は装着するわずらわしさ、多人数で使用する場合そのメガネの数が人数分必要、3D酔い(メガネやゴーグルタイプは取り外しのわずらわしさから、3D酔いになっても鑑賞を続ける傾向にある)

メガネやゴーグルの不要な偏光立体ディスプレーなどの立体視技術製品はいろいろなものが開発されていますが、どれも対象が法人向けであり、一般消費者が接することがなかなかないです。

何故立体視技術が世の中にそれほど普及していないのか考えると、やはり消費者のニーズを満たしていないからであろう。言い換えればハードの技術があってもソフトの部分が全く充実していなかったということであるでしょう。

消費者の購買意欲をそそるようなキラーソフトの存在がなく、対象ソフトの数も非常に乏しいものである。これでは誰も購入したいとは思わない。また立体に見えるもののスケール感がリアルでなく、実物の大きさにみえるのではなくミニチュアにみえることも、使用用途を制約させ、消費者の要求を見たさないポイントでもあると考えられる。

立体視を鑑賞したいという欲求が日常生活ではなかなか湧かないということと、VR機器の宣伝をネット上でよく見かけますが、その魅力を2次元のWebサイトで伝えることがなかなか難しいです。

私はOculusとViveの鑑賞経験がありますが、あのVR空間で包み込まれた感覚を2次元の広告で表現することはなかなか難しいでしょう。

そしてOculus、Vive、PlaystationVRといった高級機の価格の高さがなかなか一般層に浸透しきれない原因でもあるでしょう。PlaystationVRはまだ安価な部類ですが、OculusとViveは本体自体が10万円前後しますし、さらにそれを制御するコンピュータがかなりハイスペックでなければならないので更にコストがかかります。

2020年にVR機器が全世界で5000万台普及される(ハコスコなど安価版も含む)と予測されていますが、立体視コンテンツやVRコンテンツなどのソフトウェアの開発に力を注ぐ企業が躊躇する程度の普及数です。

ではどうすれば立体視技術を普及することができるのでしょう。

案として下記の内容を私は考えました

1)VRカフェ 戦後直後の街頭テレビのように、VR機器を多くの人たちに鑑賞してもらうような公共的な環境づくりの整備。すでに少数ですが存在してきています。

2)裸眼立体視 私も立体視画像を制作していますが、

3DCG立体視でVR美術館 stereovision-cg.com

裸眼立体視はモバイル機器のみでヘッドマウントディスプレイなどにコストがかかりません。いわば”貧者のVR”です。この裸眼立体視でどこまでの表現ができるのか、これから研究を進めていきたいと思います。

3)スマートフォンなどのモバイル機器に外部カメラを2つ装備させる

モバイル機器の裏側に2つのカメラを複眼カメラとして装着して、人間の両目の間隔ほどの幅で配置する。そのカメラで撮影された各々の画像を携帯電話内の演算チップで合成して、立体視ファイルを作成して、それをメールやSNSなどを利用して他のユーザーに配信できるようにする。このようなサービスを提供できれば、SNSが普及したように、立体視技術も爆発的に普及するのではないだろうか。また今までの立体視技術がスケール感無視のミニチュアの表現であったのに対し、今回提案したものは実際のスケール感そのままを記録し、見たままの臨場感をネットへ多数の人々に配信できるようにして、見たままの感動を他者へ伝えたいという欲求を満たすものとします。また両目間隔カメラによる撮影はリアルな仕上がりを可能にし、3D酔いの軽減にもつながるのかもしれません。

モバイル機器の立体視技術を普及させれば、携帯の利用者数の多さより、一気に立体映像を一般化させることができ、社会や文化を根本的に変えてしまうことになるのではないだろうか。いままでのビジュアル表現を世代別で考えると、第1世代:絵画(有史以前~)→第2世代:写真→第3世代:立体画像(現在~)と考えることができ、第1世代、第2世代が平面的な2次元の表現であるのに対し、第3世代は3次元動画の場合は時間軸も表現できるので、4次元的な表現とも考えられます。そして第1世代、第2世代が物理情報の伝達であったのに対し、第3世代は生で見たものがそのまま他の人に伝わり、感動をダイレクトに伝えることができるようになるので、物理情報だけでなく感性情報の伝達も可能となる。そのため人間社会における情報伝達が従来の物理的なものから感性的なものに移り変わり、新たな文化が構築され、そこに新しいビジネスの可能性が考えられるのであるでしょう。

そして低価格のVR機器の普及が、高級VR機器の普及へもつながると思います。


開発を活用、応用する場


立体物の新しい表現を目指すサイト